『天才てれびくん』のエンディングテーマ。
耳に残るなーと思ってたら、マカロニえんぴつの曲だったのね。通りで!
てれび戦士の子供たちが明るく歌ってるから楽しく軽く聞いちゃってたけど、改めて歌詞を見ると結構グサリと刺さる。
『からかわないでよね ゆるぎないネクタリン』
『交われないのよね ゆるぎないネクタリン』
歌詞の中の『ネクタリン』は自我や美学のメタファーかな?瑞々しさ、甘酸っぱさ、それからちょっとキュートな感じが思春期のイメージにピッタリな言葉選びだと思う。
時にからかわれて悔しさに打ちのめされたり、その芯の強さから他者と反発してしまったり。あー甘酸っぱい!
終盤にかけての『粗探されたって 決してまだ根腐りん!』という言葉遊びも面白い。
でもそこから続くラスサビの歌詞は少し後ろ向きな感じがするなぁ。ここからは結構大人に向けてというか、大人目線で書かれてるような気がする。
さりげなく『ゆるぎない』から『ゆるがないネクタリン』に変わっているのも、年月が経って、誇りを持って自我を掲げてるというよりも、価値観が凝り固まってしまったのかな?意思というより、意地になってきちゃったのかなって印象を受けた。
『すべきこと すでに遅いこと分かっていたりしたりね』
これなんか諦めすら感じちゃう。
そうなんだよ、もうさ、この歳になると色々「もう遅いよな」って諦めちゃうんだよね。本当にはすごくやってみたいし、きっとやるべきことがあっても、もう遅いから仕方ないかみたいな。
そう考えて少し捻くれた気分になっているところに、この曲はこう問いかけて終わる。
『分かったフリは、すべき?』
自分の年齢や立場を考えて諦めるというのは、ある意味身の程弁えた振る舞いともいえるかもしれない。けど、それでいいのかな?みたいな。
自分に言い聞かせてまで「分別ついた大人」でいるべきなのか?って問いかけられてるように私は感じた。
調べてみたところはっとりさんはインタビューで子供っぽい歌にしたくなかったという旨を語っていたので、あながち大人へのエールも含まれた歌だという解釈は間違いじゃないと思うんだけどどうだろう?
まあ小難しい話は抜きにして、とても良い曲なので是非聴いてねってことで。
てれび戦士版もマカえんセルフカバー版もどっちもそれぞれの良さがあってオススメ!